耳鳴りのある人の80%以上に難聴があることがわかっています。
このため耳鳴りは難聴に伴って発生する症状の1つとして
考えることができます。
 
年を取ると老化現象の1つとして難聴があります。
小さな音や遠くの音から聞こえづらくなり、難聴が進むと日常会話も
聞き取りづらくなります。

また、高い音から聞こえづらくなり、低い音へと移っていきます。

このように、老化が原因で起こる難聴を老人性難聴と言います。
両耳に同じように発症することが多く、聴力の老化は30代から始まるとも
言われています。

最初は難聴に気付かなくても、50~60代で聞こえづらいと意識することが
多いようです。

しかし難聴も個人差があり、80歳になっても聴力が低下しない人もいます。

では、なぜ老化現象として難聴が起こるのでしょうか。

 

老人性難聴とは?起こる原因は?

耳の構造は外耳、内耳、中耳の3つからなります。
音は外耳道から耳の奥に入り、さらに奥にある鼓膜を振動させます。

鼓膜の振動は中耳の耳小骨へ伝達され、さらに内耳の蝸牛という気管に
伝えられます。

その蝸牛にある有毛細胞が音を感知し、脳へと伝え音として
認識されるのです。

老化によりこの蝸牛の機能が低下し、有毛細胞が折れたり剥がれたりすることで
音を十分にとらえられなくなり、聞こえが悪くなるのです。

いったん壊れた有毛細胞は元に戻ることはないので、老人性難聴は
完治することは難しい
です。

老人性難聴の特徴は「音は聞こえていても、相手が何をしゃべっているのか
わからない」というように、言葉の聞き取り機能の低下です。

小さくしゃべった声だったり、あいまいな言葉は聞き取りにくく、
大きくしゃべった声だとキンキン響きます。

さらに難聴の開始とともにキーンという高音の耳鳴りが
両耳に起こることがあります。

初期は難聴をはっきりと自覚していないために、耳鳴りだけを
感じることも少なくありません。

50~60代で高音の耳鳴りを感じ始めたら、老人性難聴の可能性が
考えられます。

難聴により耳から入る刺激が減ることで脳の老化が進んだり、
コミュニケーションがうまくとれず人との付き合いを避けて
引きこもりがちになるケースもあります。

そのことがうつ症状や認知症につながっていく心配も考えられるので
早い段階での適切な治療が大切
になります。

 

老人性難聴の治療法6つとは?何科に通うべき?

難聴や耳鳴りの症状がある場合は早い段階で耳鼻科を受診し、
正確な診断をしてもらうことが大切
です。

老人性難聴は本人よりも周囲の人が気付くケースも多いので、
気付いた時には受診をすすめてみましょう。

以下、老人性難聴の治療法6つを見てみましょう。

1.補聴器の使用
難聴は完治することはできませんが、効果的な対処方法として
補聴器があります。

難聴の程度には個人差があるので、自分にあった補聴器を選ぶことが
重要
です。

耳鼻科で補聴器の専門店を紹介してもらったり、補聴器外来がある
医療機関を受診するのも良いでしょう。

2.内耳の血流を保つことが大事
ビタミンEや神経維持に必要なビタミンB12の摂取を心がけましょう。

3.音響療法
老人性難聴の耳鳴りは完治することが難しいため、耳鳴りを完全に
失くすのではなくコントロールをして生活することを目標にします。

静かな環境では耳鳴りが気になってしまうので、波の音や森の音などの
適度な音量の効果音や、穏やかな音楽を利用して耳鳴りを
コントロールしていきます。

4.TRT(耳鳴り再訓練療法)
音響療法を一歩進めた治療方法として注目されています。

耳鳴りを、時計や冷蔵庫の音のような生活音のように慣れさせていくと
いう方法で、専用の装置を使って耳鳴りの音を脳に意識させないように、
順応させる治療をしていきます。

5.騒音や大きい音から耳を守る
周囲の人はなるべく静かな環境で、ゆっくり話をするように
心がけましょう。

6.適度な運動と規則正しい睡眠
運動をすることで血の巡りがよくなり
ぐっすりと眠れるようになります。
夜更かしせずに規則正しい睡眠をとるようにしましょう。

 

老人性難聴の予防方法

長年にわたり、大きな音量で音楽を聴き続けたり騒音下で過ごしていると、
有毛細胞が傷つき聴力が低下することがあります。

若いうちからヘッドホンやイヤホンで大音量の音楽を聴き続けていた人ほど
難聴になりやすい
とも言われています。

このため、若いうちから耳を長時間の騒音から守るように
意識していくことが、老人性難聴の予防にもつながります。