わたしが婦人科クリニックで働いていた頃、
妊婦検診で診察に入ると「いぼ痔になってしまいました…」
という相談をする妊婦さんがかなりいました。
 
実は、妊婦さんの約7~8割の人が「いぼ痔」になってしまうそうです。
 
なぜ妊婦さんはいぼ痔になりやすいのか?
妊娠中にいぼ痔になったらどうしたらいいのか?
かなり気になるかたは多いのではないでしょうか。
 
というわけで今回は、妊婦さんがいぼ痔になりやすい2つの原因と
妊娠中のいぼ痔の対処法をご紹介したいと思います。

いぼ痔とは?

いぼ痔とは、肛門にいぼが出来てしまう病気の事を言います。

いぼ痔には肛門の内側に出来る「内痔核」や
肛門の外側に出来る「外痔核」という2つの種類があります。

「内痔核」は肛門の内側に隠れているので外から見た肛門は
何ともないように見えるので自分ではなかなか気付きにくい痔です。

便をする時に、内側にあるいぼが便に当たって肛門に違和感や痛みを感じたりします。

いぼが大きくなると、便を出した時にいぼが傷付いて出血する事があります。
「外痔核」は肛門の外側にあるので、気付きやすく見たらすぐにわかる痔です。

便をする時にいきむといぼがポコッ!と飛び出してきて、
指でギュッ!と押し込むといぼが肛門の中に隠れます。

いぼの大きさには個人差がありますが大きいものではオリーブくらいまで膨らみます。
大きくなりすぎたいぼは、肛門の中に隠れなくなり飛び出したたままになります。
いぼに触れると痛みを感じたり、いぼが擦れて破けると出血してしまう事があります。

妊婦さんがいぼ痔になる2つの原因は?

妊婦さんがいぼ痔になりやすいのは「便秘になりやすい事」
「お腹が大きくなる事で全身の血液の流れが悪くなる事」
これら2つが原因として考えられます。

女性は妊娠するとお腹の中で赤ちゃんが成長するにつれて子宮も膨らむので、
お腹がどんどん大きくなります。

妊娠前の子宮はとても小さく7~10cmくらいしかありませんが、
妊娠すると子宮は30cmくらいまで大きくなります。

妊娠で子宮が大きくなると、すぐ近くにある腸が膨らんだ子宮にギュッ!と押されて圧迫されます。

腸は圧迫されると、うんちの通り道になる腸が押しつぶされて
狭くなって便秘になったり腸内の血液の流れが悪くなってしまいます。

便秘や血液の流れが悪くなると、固くなった便を出そうとグッ!と力強くいきんだり
腸内の血管の中で血液の渋滞が起きてしまいうっ血という血液が流れずに
同じ場所にずっと溜まってしまう状態が起こりやすくなります。

うっ血が起きると、その部分に「痔核」という痔の赤ちゃんが出来てしまいます。
痔核は最初はとっても小さいのですが、成長するといぼ痔になってしまいます。

妊婦中のいぼ痔の対処法は?

妊婦中のいぼ痔は、麻酔を使う手術では取り除く事が出来ません。
いぼ痔を取り除く手術は、出産後に行う事になります。

いぼ痔が出来てしまったら出産するまでは「軟膏を塗る事」
「便秘を解消する事」で対処をします。

いぼ痔の軟膏は病院で処方して貰えますが、
市販で用意する場合は「ボラギノール軟膏」がオススメです。
ボラギノール軟膏はどこの薬局にもほとんど置いてあります。

内痔核.外痔核のどちらのいぼ痔にも使えるようなデザインになっています。

妊婦さんが便秘を解消するには、こまめな水分補給と食物繊維を含んだ食品や
乳製品を積極的に食べる事がまず大切になります。

しかしもともと便秘体質の妊婦さんの場合は食事だけで
便秘が解消されない事があります。

そのような場合は、妊娠中に飲んでもお腹の赤ちゃんに影響がない
漢方薬や便秘薬を内服する事で便秘は解消されます。

お腹の赤ちゃんに影響しない便秘に効果がある漢方薬は「防風通聖散」、
便秘薬は「マグミット」がオススメです。

妊娠中は薬は絶対ダメ!だと思われがちですが、
実は妊娠中に飲んでも大丈夫なお薬はたくさんあります。

まとめ

妊婦さんがいぼ痔になりやすい原因.妊娠中のいぼ痔対処法…いかがでしたか?

ただでさえ不安になりやすい妊娠中…

いぼ痔になったら、出産に影響するんじゃないか?と
余計心配になってしまうママさんは多いと思います。

実際婦人科で働いている時にいぼ痔の相談をされた妊婦さんは
「これ…大丈夫なんでしょうか?」と必ず聞いてきました。

でも、いぼ痔自体はお腹の赤ちゃんに悪い影響を与えるモノではないので
そこは安心して下さいね。

ただ、いぼ痔は大きくなるとただ座ってるだけでも
激痛が走ったり日常生活に大きな支障を与えます。

妊娠中はお腹が大きくなるせいでただでさえ日常生活が不便になる事が多いのに、
いぼ痔で更に不便が出るのは困りますよね。

妊婦中にいぼ痔になってしまったら、それ以上大きくさせないようにする事がまずは大切です。

妊娠中は手術が出来ないので対処をするしか方法はありませんが、
お医者さんとよく相談してなるべく心配事が少ない状態で赤ちゃんが産めるようにしましょう。