「疥癬(カイセン)」という病気は非常に厄介です。
 
疥癬は高齢者がかかりやすい皮膚の病気で、
人から人へうつるので注意が必要です。
 
今回は疥癬になるたった1つの原因、症状、治療法、
予防法についてお話したいと思います。

疥癬とは

疥癬とは、ヒゼンダニというダニが皮膚に
寄生して痒みやただれを起こしてしまう皮膚の病気です。

疥癬には種類がある!

疥癬には「通常疥癬」「ノルウェー疥癬」という2つの種類があります。

どちらも同じヒゼンダニが寄生してしまう疥癬ですが、
症状が違うため2種類に分けられています。

疥癬の症状は?

疥癬は「通常疥癬」「ノルウェー疥癬」で、
それぞれ症状に多少の違いがあります。

(1)通常疥癬の症状

~丘疹(きゅうしん)が出来る~

通常疥癬になると、赤い発疹とともに直径一センチほどの小さな丘が
腹部、胸部、脇の下、肘や太腿の内側に出てきます。

この赤い小さな丘のような発疹のことを「丘疹」といいます。
この丘疹は寄生したヒゼンダニがいた場所を表します。

丘疹の部分にはアレルギー反応が起きて、強い痒みを感じます。

~疥癬トンネルが出来る~

通常疥癬になると「疥癬トンネル」という、
疥癬独特な症状が手のひらや指と指の間などに出てきます。

疥癬トンネルとはヒゼンダニが皮膚に作ったトンネルで、
ヒゼンダニがいる場所です。

~疥癬結節が出来る~

通常疥癬になると、「疥癬結節」という赤茶色のマメのような
しこりが陰部、おしり、脇の下、肘の外側にで出てきます。

疥癬結節は疥癬が治ってからも数ヶ月間は
なくならず皮膚に残ってしまいます。

(2)ノルウェー疥癬の症状

ノルウェー疥癬の症状も、通常疥癬とほぼ変わりありませんが…
明らかに違う症状がひとつだけあります。

~全身にかさぶたが出来る~

ノルウェー疥癬になると、全身にかさぶたのようなカサカサした薄茶色の角質が出来ます。
かさぶたになった部分は痒みがあったりなかったりします。

疥癬になるたった1つの原因

疥癬になるたった1つの原因は「ヒゼンダニが寄生してしまう事」です。

ヒゼンダニは目には見えないとても小さなダニで、
もともとわたし達の皮膚に住みついています。
ヒゼンダニのご飯はわたし達の身体から出てくる皮脂やフケです。

健康な人の場合はヒゼンダニがいても免疫力があるし
お風呂などに入った時に皮脂やフケと一緒に洗い流してしまうので、疥癬になる事はありません。

しかし高齢者は免疫力が低下していてお風呂に入る機会も少なくなるので
肌が不衛生になりヒゼンダニのご飯になる皮脂やフケと一緒に洗い流されるハズだった
ヒゼンダニも皮膚に残りがちです。

皮膚に残ったヒゼンダニは皮脂やフケをたくさん食べて、
皮膚に寄生する数がどんどん増えてしまい疥癬になってしまいます。

疥癬の治療法

疥癬は感染力が非常に強く人から人へ次から次へとうつる病気なので、
治療を始める前に疥癬になった人は一時的に必ず隔離してからの対応となります。

また、疥癬の人が使った服やタオルなどにはヒゼンダニが
たくさんくっ付いているので洗濯は必ず別々にしなければいけません。

病院で行う疥癬の治療は「内服治療」「外用薬の塗布」の2つの薬物治療をメインに行います。
しかしどちらの治療もヒゼンダニの卵には効果がないので、間隔をあけて必ず2回治療をします。

(1)内服治療

内服治療では「イベルメクチン」という薬を空腹時に服用します。
このイベルメクチンというお薬は、たった1回服用するだけでも疥癬にかなり効果があります。

(2)外用薬の塗布

外用薬の塗布では「オイラックス軟膏」という軟膏がよく使われます。
オイラックス軟膏はヒゼンダニを殺虫する効果.痒みを抑える効果がありますが
5日間塗布しないと効果が出ません。

オイラックスで効果がなかった場合は「安息香酸ベンジル」という
オイラックスよりも殺虫効果が強い軟膏を使います。

安息香酸ベンジルはとても強い薬なので、塗布したら24時間後には洗い流さないといけません。

疥癬を予防するには?

疥癬を予防するにはまずは「身体の清潔を保つ事」が大切です。
先述のとおりヒゼンダニが住みついているわたし達の皮膚で、ヒゼンダニのご飯は皮脂やフケです。

つまり、不衛生な身体の環境がヒゼンダニを増やしてしまうんです。
高齢者になると毎日お風呂に入るのは正直かなり大変かもしれません。

でも、身体の清潔を保つ事は疥癬の予防にかなり効果があります。

毎日お風呂に入れなくても、タオルで身体を拭くなどして
なるべく身体の清潔を保つようにしましょう。

まとめ

疥癬になる原因や症状、治療法、予防法…いかがでしたか?

疥癬は特に高齢者がかかりやすいとはいえ、人から人へうつる病気です。

治療に関わる家族や医療関係者の人もしっかり感染予防をしていないとかかる
可能性があるので注意が必要です。

わたしが以前働いていた病院では一時期疥癬が大流行して、とても大変でした(苦笑)
ダニは目には見えないので、疥癬にならないように清潔を心掛けましょう!